ETCカードとは、高速道路などの有料道路の料金所で車を止めずに自動で精算ができるカードです。専用の車載器にETCカードを挿入することで利用できるようになります。通行料金はETCシステムを利用して精算される仕組みです。

ETCカードは、主にクレジットカードに付帯する形で発行されるため、クレジットカードと一緒に申し込むことが可能です。また、ETCカードで通行した有料道路の支払いの請求は、車の所有者ではなく、ETCカード所有者に対して行われます。ETCカードは、専用の車載器が搭載されていれば車両を問わず利用できるので、レンタカーや友人の車など、ほかの車に乗る際にもカードを挿し替えることで利用が可能です。

ETCカードを作るには、「クレジットカードと同時に申し込む」もしくは「すでに保有しているクレジットカードに追加で申し込む」というクレジットカードに付帯する形の方法と、クレジットカードに付帯しない形でETCカードのみを申し込む方法があります。ここでは、それぞれのETCカードの作り方を解説します。

ETCカードを作る方法のひとつとして、クレジットカードと同時にETCカードを申し込む方法があります。ここでは、例として楽天カードと楽天ETCカードを同時に申し込む方法についてご紹介します。

楽天カードの場合、公式Webサイトからカードの申し込みが可能です。すでに楽天会員の場合は楽天IDとパスワードを入力してログインして進みましょう。楽天カードの申し込みに必要な情報を入力していくと、楽天ETCカードを申し込むかどうかを選択できます。そこで申し込みをすれば、楽天カードと同時の申し込みが完了です。

なお、同時に申し込み、無事審査を通過した場合でも、楽天ETCカードは楽天カードとは別に発送されます。楽天ETCカードは、楽天カードの受け取り後、通常2週間程度で届きます。

現在保有しているクレジットカードに追加でETCカードを申し込む場合は、持っているクレジットカードに付帯したETCカードの発行ができるかどうか、確認してみましょう。なお、楽天カードの場合は、楽天e-NAVIから申し込むことができます。

ETCカードのみが欲しいという人のためには、クレジットカードがなくても申し込めるETCカードとして、有料道路の通行料金の支払いに限定された「ETCパーソナルカード」が用意されています。クレジットカードを持っている必要はありませんが、代わりに保証金（デポジット）を預託することが主な条件とされています。ETCパーソナルカードの申し込みをする際は、公式Webサイトから「ETCパーソナルカード利用申込書」を作成し、作成した申込書や本人確認書類等の必要な書類を事務局へ郵送します。その後、デポジットを振り込み、入金が確認できたらカードが郵送されてくるという流れです。
なお、楽天カードはETCカードを単体で持つことはできません。（2023年3月時点）

ETCカードには「年会費」がかかる場合があります。クレジットカードに付帯する形で発行されるETCカードの場合、クレジットカードの年会費とは別にETCカードの年会費が設定されていることがあるため、申し込む前に確認しておくことをおすすめします。

楽天カードの年会費は無料ですが、楽天ETCカードは年会費として550円（税込み）がかかります。ただし、主に以下の条件を満たした場合、楽天ETCカードの年会費が無料となります。

• 楽天ゴールドカードもしくは楽天プレミアムカード会員である
• 楽天PointClubの会員ランクがダイヤモンド会員もしくはプラチナ会員である

なお、楽天ビジネスカードを持っていて、楽天PointClubの会員ランクがダイヤモンド会員もしくはプラチナ会員であったとしても、2枚目以降の楽天ETCカードの年会費は無料とはなりませんのでご注意ください。

楽天カードと楽天ETCカードのようにクレジットカードとETCカードが分離している種類のほかに、クレジットカードと一体型となっているETCカードが存在します。クレジットカードと一体型のETCカードの場合も、年会費がかかることがあります。クレジットカードの種類によって異なりますので、気になるカードがあれば確認してみましょう。
なお、クレジットカードと一体型のETCカードについては取り扱いが見直されており、分離発行の手続きが順次進められています。そのため、一体型のETCカードは現在新規では申し込むことができません。

ETCカード単体ではETCシステムを利用することができません。ここでは、ETCカードの使い方についてご紹介しましょう。

まずは、ETC車載器の取り付けを行いましょう。ETC対応の車載器は、車に標準装備されている場合と、オプションでつける場合があります。オプションの場合は、カーディーラーやカー用品店、自動車整備工場などで購入でき、取り付けも行っています。車載器のメーカーが指定している方法で取り付けなければなりませんので、取り付けは専門的な技術・知識が要求されます。指定している方法以外で取り付けてしまった場合、ETCシステム利用規定違反となり、利用できないので注意しましょう。カーディーラーなど専門業者に任せるのが安心です。

車載器には、車両情報をセットアップする必要があります。車両情報をセットアップすることで、車両タイプによる料金が適切に支払われるようになるからです。そのため、車載器を複数の車両で使いまわすことはできません。車載器のセットアップについてもセキュリティ上の正確さなどが求められますので、専門業者などに依頼することをおすすめします。

車載器を取り付けたら、ETCカードを差し込みましょう。その際、きちんと正しい向きで確実に差し込みするようにしましょう。差し込み不良だとETCシステムが認識できず、高速道路などの有料道路で開閉バーが作動しない可能性があるからです。正しい向きで確実にカードを差し込めば、車載器のランプの色が変わります。通常は、緑色や青色になれば問題ありません。また、ETCカードにも有効期限があるので、利用する際はしっかり確認しておきましょう。

車載器にETCカードをきちんと差し込んでから、高速道路などの有料道路へ入りましょう。基本的に、車載器にETCカードを差し込んだ状態で走行していれば問題ありません。

高速道路など有料道路の入口では、ETC専用ゲートへ進みましょう。ETCは、料金所のアンテナと車載器との無線通信により、自動で支払いが行われる仕組みです。したがって、車載器とETCカードを正しくセットできていれば、ETC専用ゲートに近づくと自動的にゲートが開きます。ETCレーンを通過する際は、時速20km以下に落として通過しましょう。

高速道路などの有料道路を走行中は、危険ですのでETCカードの抜き差しを行わないようにしてください。出口の料金所では、ETCレーンを通過すれば支払いが自動的に行われます。

レンタカーを利用する場合などは、1枚のETCカードを別の車載器に差し替えて利用することができ、通行料金は、ETCカードの名義人へ請求されます。ただし、入口と出口では必ず同じカードを利用しましょう。

ETCカード利用分の支払い方法はカード会社によって異なりますので、ここでは楽天ETCカードを例に解説しましょう。

楽天ETCカードでは、ETCカードを利用した月の翌月27日に、楽天カードから請求されます。楽天ETCカードの利用金額は、楽天e-NAVIより確認することが可能です。なお、利用金額が反映されるタイミングによっては、請求月が1カ月以上遅れることがあります。

ETCカードには有効期限があり、期限切れのETCカードを使用することはできません。また、クレジットカードと有効期限が違う場合もあるため、必ずETCカードの期限を確認するようにしましょう。

ETCカードや車載器のエラーで開閉バーが開かないことがあります。事故を防止するために、ETCレーンを通過する際は前者と十分な車間距離を保ち、いつでも安全に停止できるよう時速20km以下に減速して通過するようにしましょう。

盗難・紛失防止のためにも、車から離れるときには必ずETCカードを持ち歩くようにしましょう。また、車内にETCカードを長時間放置しておくと熱の影響でカードが使用できなくなる場合もあります。

ETCマイレージサービスに登録している場合、条件を満たせば「平日朝夕割引」が適用されます。平日朝夕割引は、入口または出口の料金所を、平日（祝日を除く月～金曜日）の6～9時もしくは17～20時に通過し、割引対象の道路をETC無線通信により走行することが適用の条件となっています。1日から末日までの1カ月間における割引対象走行が計測され、回数に応じた割引率（5～9回：料金の約30％、10回以上：料金の約50％）が適用となり、翌月20日に割引分が還元されるという仕組みです。このように、平日の朝夕割引は「割引」という名称ですが、割引分は後日還元されます。通行した時点では通常の通行料金を支払う必要がありますので、注意しましょう。

普通車と軽自動車等（二輪車）限定となりますが、土・日・祝日に、割引対象道路を走行した場合に適用される「休日割引」があります。割引率は30％で、走行距離や走行回数などの条件はありません。平日朝夕割引とは違い、ETC無線通信で走行していれば、自動的に割引されます。

ただし、年末年始やゴールデンウィーク、お盆に関しては、混雑を避けるなどの理由で休日割引が適用されません。

毎日どの日であっても、0～4時に割引対象道路をETC無線通信で走行すると「深夜割引」が適用されます。割引率は30％で、対象車種に制限がなく、どの車種であっても適用されます。休日割引と同じく、ETC無線通信で走行していれば、自動的に割引となります。

そのほかにも、期間限定で対象区間が割引となったり、ETCマイレージサービスと組み合わせられる割引区間があったりします。高速道路などの有料道路を利用する前に、走行する道路が割引対象であるか確認しておくと、ETCカードをさらにお得に利用できるかもしれません。

ここまで、ETCカードについて紹介してきましたが、ETCカードをこれから持つ人におすすめしたいのが楽天ETCカードです。ポイントについてまとめました。

高速道路などの有料道路を頻繁に利用するなら、ETCカードを作ることをおすすめします。車載器さえあれば、あとはETCカードを挿入するだけで利用可能です。