まずは宝くじの還元率について考えてみます。還元率というのは売上に対し、いくら当せん金を出すかというもの。例えば、ある宝くじが1兆円売れたとして当せん総額が1兆円なら還元率は100％ですが、これでは販売者側の儲けが0になってしまいます。

宝くじ公式サイトによると、令和4年の還元率は46.9％（3,904億円／8,324億円）。残りうち36.7％は公共事業等、15.1％は印刷経費や手数料などとして使われ、1.3％は社会貢献広報費として使われています。

還元率は当せん金付証票法第五条で以下のように定められているため、どの宝くじでも50％未満になります。

期待値とは、ある1回の試行につき、得られる値の平均値を示したものです。

例えばサイコロを1回振ると、それぞれの目が出る確率は6分の1です。この確立を各数値と掛けて足していくと、

 となり、期待値は3.5となります。

この要領で、2023年の年末ジャンボ宝くじの当せん確率から期待値を割り出します。年末ジャンボ宝くじの1ユニットは100000番～199999番までの10万種類の数字が200組で、2,000万枚あります。この中で1等は1枚だけなので、当たる確率は2,000万分の1ということです。年末ジャンボ宝くじは23ユニット発売されるため、1等の本数は23本と表記されます。

表にしてみると、このとおりです。

1枚あたりの期待値は149.995円という結果になりました。1枚あたり300円なので、還元率は149.995/300=49.998％となり、当せん金付証票法どおりということがわかります。

ほかの宝くじでも検証してみましょう。

その場で当せんがわかるスクラッチはどうでしょうか。2024年9月25日から2024年10月8日まで発売されていた「ワンピーススクラッチ プリンス・グルス トリプルマッチ」（第1026回全国自治宝くじ、販売枚数：400万通）を例にとって見てみます。

こちらの期待値は95円。1枚200円なので、還元率は95／200＝47.5％となっています。

スクラッチ同様その場で当せんがわかる宝くじに、インターネット専用全国自治宝くじのクイックワンがあります。クイックワンは購入後にゲームにチャレンジすると当たりがわかる宝くじで、原則1年中、宝くじ公式サイトでのみ購入ができます。ここでは2024年10月に発売されている「第115回インターネット専用全国自治宝くじ クイックワン ボウリング」（販売枚数： 200万枚想定）を例に見てみます。

こちらの期待値は135円。1枚300円なので、還元率は135／300＝45％となります。

ロト6やロト7、ナンバーズといった自分で数字を選択する宝くじの場合、販売枚数が決まっていないためそこから期待値の計算はできません。ただし、配当率（還元率）は45％になるように当せん額が調整されており、通常の宝くじとあまり変わりません。キャリーオーバーがあると、前回支払われるべき当せん金が今回の当せん金に上乗せされるため、還元率が50％を超えることもあります。

• 年末ジャンボ宝くじ…49.998％
• スクラッチ…47.5％
• クイックワン…45%
• 数字選択式宝くじ（キャリーオーバーなし）…45％
• 数字選択式宝くじ（キャリーオーバーあり）…50％を超えることもある

少しでも期待値を上げたいのであれば、キャリーオーバーがあるときの数字選択式くじを狙うと良いかもしれませんね。