個人がお金を借りるには、どのような方法があるのでしょうか。ひとつずつ見ていきましょう。

お金を借りると聞いて、まず思い浮かぶのが金融機関ではないでしょうか。銀行、信用金庫、ろうきん、JA、郵便局（ゆうちょ銀行）などでお金の貸付を行っています。

目的に応じて住宅ローン、リフォームローン、マイカーローン、教育ローンなどのローンがあり、種類によって金利は異なります。目的を定めないフリーローンはほかのローンと比べて金利が高めです。

通常のローンは審査から借入までに時間がかかりますが、カードローンは１度申し込めば限度額の範囲内で自由に借り入れできるのが特徴。Webで申し込みができ、銀行ATMやコンビニの提携ATMから借入できます。

限度額と金利は審査で決定します。即日の借り入れには対応しておらず、カードが手元に届くまでに1週間程度かかることも。すでに普通預金口座を持っている金融機関なら、申し込みが簡単になったり、借り入れまでの期間が短くなったりすることがあります。

消費者金融は最短で即日融資が受けられるのが特徴。会社によっては申し込みから最短30分で現金が受け取れます。申し込みや借り入れまでアプリで完了できる手軽さが魅力ですが、一般的に金利は高めなので計画的な利用が求められます。

手持ちのクレジットカードにキャッシング枠があれば、すぐに現金を引き出すことができます。キャッシングをすると、その分ショッピング枠が減ります。ショッピング1回払いやボーナス一括払いなら金利0円のところを、キャッシングでは利息がかかるので、クレジットカードで支払える場面ならクレジットカードで支払った方が良いでしょう。

生命保険の加入者向けの貸付制度があります。生命保険を解約しなくても、それまで払い込んだ保険料に応じてお金を借りることができます。

貴金属やブランド品などを預け入れてお金を借りる方法です。質屋と買取業者は似ていますが、質屋は決められた期限までに利息を上乗せしてお金を返せば預け入れたものが戻ってきます。お金が返せない場合は物品を手放すことになります。

ひとり親世帯向けの母子父子寡婦福祉資金や、職業訓練中の人向けの求職者支援資金、国の教育一般貸付など、条件に当てはまる人なら低金利で借りられます。

生活に困窮している人向けに、各市区町村の社会福祉協議会が生活福祉資金を貸付しています。

盗難や紛失によって帰りの電車賃が払えないような緊急性の高い状況では、警察署や交番でお金が借りられることがあります。都道府県によってはこの制度がないこともありますが、相談には乗ってもらえるので困ったら足を運ぶと良いでしょう。

職場によっては従業員貸付制度があります。金利や借りられる金額は会社によって異なりますが、金融機関や消費者金融よりも低金利で借りられることが多いです。

知人にお金を借りる方法です。審査はないものの、返済できないと信頼を失い、最悪の場合は縁を切ることになるかもしれません。やむを得ず借りる場合は、借用書を残すと良いでしょう。

ここからは状況に応じたお金の借り方を見ていきましょう。

手持ちのクレジットカードにキャッシング枠がついていれば、新たな申し込みをしなくてもATMでお金を借り入れることができます。

クレジットカードがない場合や、クレジットカードがあってもキャッシング枠がない場合は、消費者金融が最短即日で融資を行っています。

また、質に入れるものがあれば、質屋に預け入れることで最短即日でお金が手に入ります。

クレジットカードのキャッシング枠ならすでに審査が終わっているので、すぐにお金を引き出せます。

質屋では、持ち込んだものの価値に応じてお金が借りられます。

生活に困っていて低金利でお金を借りたいという場合は、市区町村の窓口や社会福祉協議会に相談すると良いでしょう。

低金利をうたう銀行カードローンでも、審査によって金利が変わるため、どの金利が適用されるかわかりません。

銀行でローンを組むなら、従来型の店舗型銀行よりもネット銀行のほうが低金利で借りられる傾向にあります。

楽天銀行のカードローンでは 10万円から800万円まで借り入れることができます。

まとまった金額が必要なときに、複数の借入先から借り入れると、返済が困難になりがちです。金融機関で目的に応じたローンを組んだほうが良いでしょう。

不動産を持っている人は、不動産担保ローンを利用すれば大きな金額が借りられます。

スマホのみの申し込みに対応している消費者金融もあります。楽天カードでは、Webまたは楽天カードアプリからネットキャッシングの申し込みが可能です。楽天銀行はネットバンクのため、こちらもスマホからの申し込みが可能です。24時間どこでも申し込めるのも特徴です。

学費や生活費に困っているようなら、まずは奨学金や教育ローンを検討しましょう。大学の学生課などで相談すれば、適切な窓口を教えてもらえます。

ほかにクレジットカードのキャッシング枠や銀行カードローン、消費者金融も利用できますが、学生のうちは返済能力が高くないので、本当に必要なときに少額だけ借りるようにしましょう。

日本政策金融公庫は国が100％出資する金融機関で、個人企業や小規模企業への融資を行っています。これから事業を始める人向けには、新規開業資金、女性、若者/シニア起業家支援資金、再挑戦支援資金、新事業活動促進資金があり、まとまったお金が借りられます。

ほかにも、地元の銀行や信用金庫に相談するのも良いでしょう。ビジネスコンテストやクラウドファンディングで資金調達をする方法もあります。

お金を借りるにあたって、注意したいポイントを見ていきましょう。

貸金業者からの借り入れは年収の3分の1までと決まっています。年収300万円の人は、100万円が上限です。だからといって必ずしも100万円が借りられるわけではなく、そのほかの条件（勤続年数や持ち家の有無など）によって変わってきます。

これは1社からの借り入れではなく、借りているお金の合計が年収の3分の1を超えないようにという意味です。

また、総量規制の対象となるのは消費者金融からの借り入れやクレジットカードのキャッシングで、銀行からの借り入れやクレジットカードのショッピングは含まれません。

お金を100万円借りたら、100万円返せば良いというわけではありません。これに利息を上乗せして返済する必要があります。利息は借入金額×金利×借入期間で示されます。返済までの期間が長ければ長いほど利息がかさむので、できる限り短期間で返済するよう計画を立てましょう。年利を見てもイメージが湧きにくいと思うので、借入時にシミュレーションをして利息を含めた総返済額をチェックすることが重要です。

お金を借りるときは借り方だけでなく返し方もチェックしておきましょう。当たり前だと思われるかもしれませんが、自分が返済するところまでイメージすることが大事です。指定口座への返済が指定されていても、銀行まで行かないとならないのか、コンビニのATMでできるのか、ネットバンクで自宅から振り込めるのか、それによって返済のしやすさが大きく変わります。

また、長く借りれば借りるほど利息がかさんでいきます。毎月定額を返済するタイプでも、途中で繰り上げ返済できるのか、繰り上げ返済はどのように申し込めば良いのか、あらかじめチェックしておきましょう。

銀行のカードローンでも消費者金融でも、提示している金利に幅があります。自分がどの金利に当てはまるか、審査を受けてみないとわかりません。融資可能な借入先が複数あるときには、利息や上限額、返済方法を比較したうえで1番有利なところを利用すると良いでしょう。

クレジットカードやカードローンの契約内容や支払状況、利用残高などの履歴は個人信用情報として記録され、共有されています。キャッシングやカードローンなどは、返済が滞ると、新たなローンに申し込めなくなったり、クレジットカードが作れなくなったりする可能性があります。期日までにしっかり返済して、完済している記録を残すことが大事です。

最終的に返済できる見込みがなく、生活がどうしても立ち行かなくなったら、自己破産することになるでしょう。最低限の生活を送るのに必要でない財産をすべて手放し、すべての債務の返済義務をなくすものです※。これはあくまで最終手段であり、安易にできるものではありません。

※一部、免責が許可されない場合もあります。

利息は時間の経過とともに膨らんでいくため、不安があれば早いうちに手を打つことが重要です。金利の低いローンに借り換える、複数あるローンを一本化するなど、返済しやすい状況を整えておきましょう。

借金はしない方が良いとわかっていても、借り入れが必要になる可能性は誰にでもあります。緊急性が高いときは判断を誤りがちなので、信用できる窓口で落ち着いて相談することが重要です。借り入れるときには無理のない返済計画を立てて、しっかり返済していきましょう。