住宅ローンは変動金利の方が良い?変動金利と固定金利の特徴を徹底解説!

リリース日:2024/08/20 更新日:2024/08/20

住宅ローンには変動金利と固定金利があり、どちらが良いのか迷う方は少なくありません。住宅ローンの返済は長期間に及ぶため、より利息の支払負担が軽い方を選びたいものです。

変動金利・固定金利を選択するには、それぞれの特徴やメリット・注意点を知る必要があります。

ここでは、変動金利と固定金利の違いや選択する際の注意点などについて詳しく解説していきます。

  1. 住宅ローンとは
  2. 住宅ローンの種類
  3. 住宅ローンの返済方法で選び方は変わる?
  4. 住宅ローンを組むなら変動金利?
  5. 変動金利のメリットや注意点
  6. 固定金利のメリットや注意点
  7. 変動金利は変動してない?
  8. 住宅ローンで失敗したくないこと
  9. 住宅ローンは人生設計の大きなミッション

住宅ローンとは

住宅ローンとは

住宅ローンとは、住宅の購入を目的としたローン商品です。一戸建て建築や新築・中古マンション購入の際などに取得資金を借りられます。

 

住宅ローンには主に、銀行が取り扱っている住宅ローンと、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して取り扱っている「フラット35」があります。

 

住宅ローンを組む際には、土地や建物を担保に入れるのが一般的で、資金を借りるには審査に通らなければなりません。

 

ほとんどの銀行が住宅ローンの審査基準を公表していませんが、住宅金融支援機構の「2023年度 住宅ローン貸出動向調査」によると、以下の点が主な審査ポイントになっているようです。

 

  • 返済負担率(毎月の返済額/月収)
  • 職種、勤務先、雇用形態
  • 借入比率(借入額/担保価値)
  • 借入者の社会属性 など

上記の審査ポイントをメインとして申込者と担保物件の審査を行い、借入可能額や返済期間、担保物件の評価額などが決まります。 

住宅ローンの種類

住宅ローンの種類

住宅ローンは、金利タイプ別に大きく「変動金利」と「固定金利」の2つがあり、申し込む際には、いずれかを選ぶ必要があります。

 

金利は返済総額にも大きく影響するため、慎重に検討すべきです。ご自身に適した種類を選ぶために、それぞれの特徴を確認していきましょう。

変動金利

変動金利は、景気や物価・社会情勢などによって金利が定期的に見直されるため、返済期間中の金利が上昇・下降する可能性があります。銀行により金利の決定方法が異なりますが、半年に1度見直されるのが一般的です。

 

見直された金利が返済額に反映される時期は、返済方法によって以下のように異なります。

 

  • 元利均等返済:多くの金融機関では5年ごとに返済額に反映される
  • 元金均等返済:金利の変動に応じて返済額に反映される

元利均等返済での金利の見直しは多くの金融機関で5年ごとです(5年ルール)。また、一般的に金利が急上昇してもこれまでの返済額の125%が上限金額となる「125%ルール」があります。

 

なお、元金均等返済には5年ルールや125%ルールはなく、金利変動に応じて返済額が変わります。

固定金利

固定金利は、住宅ローンを借り入れたときから、あらかじめ決めておいた期間中の金利が固定されるタイプです。固定される期間により以下の2つの種類があります。

 

  • 固定金利期間選択型
  • 全期間固定金利型

固定金利期間選択型は、契約時に金利を固定する期間を選びます。選択できる期間は銀行で異なり、2年・3年・5年・10年・15年などから選べるのが一般的です。なお、金利固定期間が短いほど低金利になる傾向があります。

 

全期間固定金利型は、契約時に決定した金利が完済まで適用され、毎回の返済額もあらかじめ決まるため返済計画が立てやすいです。代表的なものに「フラット35」があります。




住宅ローンの返済方法で選び方は変わる?

住宅ローンの返済方法で選び方は変わる?

住宅ローンでは、変動金利と固定金利の選択も大切ですが、返済方法についても確認する必要があります。

 

返済方法は、主に「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つです。

 

元利均等返済とは、毎月の返済額は一定金額ですが、返済当初は返済額に占める利息の割合が大きいのが特徴です。

 

一方、元金均等返済は元金が一定金額で、返済を進めるうちに利息の返済額が減るため、返済額も少額になっていきます。

 

返済方法によって月々の支払負担や返済総額が変わるため、ご自身の状況にあわせて選びましょう。

住宅ローンを組むなら変動金利?

住宅ローンを組むなら変動金利?

実際に住宅ローンを組んだ方は、変動金利と固定金利のどちらを選んでいるのでしょうか。

 

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査(2024年4月調査)」によると、76.9%の世帯が変動金利を選択しています。

金利タイプ 利用者割合
変動金利型 76.9%
固定期間選択型 15.1%
全期間固定型 8.0%
 

変動金利型は固定金利型と比較して金利が低い傾向にあるため、選択されるケースが多いと考えられます。

 

なお、変動金利型を選んだ理由としては、「金利が安い」「団体信用生命保険の充実」「住宅販売事業者から勧められた」などが多いです。

変動金利のメリットや注意点

変動金利のメリットや注意点

住宅ローンを利用する方の7割以上が変動金利を選んでいますが、良い点だけでなく注意すべき点もあります。変動金利に決める前に、メリットと注意点を確認しておきましょう。

変動金利のメリット

変動金利には、主に以下のメリットがあります。

契約時の金利が固定金利よりも低い

変動金利は、一般的に契約時の金利が固定金利よりも低いです。近年は低金利が続いており、返済中も金利が低い水準で推移するなら、変動金利を選択するメリットが大きいといえます。

金利が下がると利息の支払総額が少なくて済む

金利が下がると支払利息額は少なくなるため、返済総額も抑えることが可能です。

5年ルールや125%ルールといった緩和措置がある

急な金利上昇があっても契約者が大きな影響を受けないように、見直しを5年ごととする5年ルールや、返済額の上限設定である125%ルールが採用されるといった緩和措置もあります。

変動金利の注意点

変動金利には、利用者にとってメリットがある一方で、注意すべき点もあります。主な注意点は以下のとおりです。

契約時に返済総額が決まらない

今後の金利変動によって将来の返済額が変動する可能性があるため、ローンを契約した時点では返済総額が決まりません。

金利が上昇すると元金が減りづらくなる

金利が上昇すると支払利息額が増えます。しかし、5年ルールによりすぐに返済額は変更されないため、元金充当分を減らし利息に充てる割合が大きくなります。つまり、元金が減りづらくなる可能性があるのです。

 

また、変動金利には125%ルールもあり、支払金額の増額は一定の限度内に制限されています。金利の上昇程度によっては支払金額のほとんどが利息に充当されてしまい、元金が減らない事態も考えられます。

未払利息が生じる可能性がある

金利がさらに上昇すると、毎月の返済額から利息の支払いさえもできなくなり、返済期間満了時点で「未払利息」が生じる可能性があります。

 

住宅ローンの返済期間満了後に残債がある場合は、一括返済しなければなりません

固定金利のメリットや注意点

固定金利のメリットや注意点

続いて、固定金利のメリットや注意点も確認していきましょう。

固定金利のメリット

固定金利には、主に以下のメリットがあります。

返済額が一定なので返済計画を立てやすい

固定金利は契約時に決まった金利が返済期間中適用されるため、返済額が一定です。仮に金利が上昇しても利率が変わらないため返済額に影響が出ません。そのため、返済計画を立てやすいメリットがあります。

 

急に返済額が高額になる心配がないため、教育費や老後資金の準備などと並行して資金計画が立てられます。

金利が上昇した場合のリスクヘッジができる

変動金利は、固定金利よりも低金利ですが、金利が上昇した際には返済負担が大きくなる注意点があります。しかし、固定金利にすれば金利上昇にかかわらず適用される金利が一定のため、慌てて資金を用意する必要がありません。

固定金利の注意点

一方で、固定金利には以下の注意点もあります。

変動金利よりも高金利

固定金利は、一般的に変動金利よりも高い金利に設定されています。金利が上昇したときには固定金利のメリットを享受できますが、反対に下降したときには変動金利のほうが支払利息は少なく済みます。

金利固定期間中は金利の見直しがない

固定金利は5年・10年など設定した期間中は、金利の見直しがありません。

 

住宅ローンの借り換えをする方法もありますが、諸費用がかかるため、金利や借入残高などによっては借り換えるメリットが得られない可能性があります。

変動金利は変動してない?

変動金利は変動してない?

変動金利の基準金利は一般的に半年ごとに見直されているため、変動金利型を選択すると住宅ローンの返済額は変動します。

 

基準金利とは、各銀行が設定する原則的な住宅ローン金利で、店頭金利やベースレートなどとも呼ばれるものです。

 

しかし近年は、変動金利型を選んだ場合でも、実際には金利が変動していない状況となっています。変動金利の基準金利となる短期プライムレートは2009年から1.475のまま変更されておらず、銀行ごとに金利引き下げ(割引)が行われているのみです。それどころか、固定金利のほうが変動しています。

 

変動金利を選択した方の中には、契約時よりも低金利になれば利息の支払い負担が軽減されると期待している方もいるでしょう。しかし、実際には基準金利が変化していないため、変動金利型のメリットを十分に享受できていないケースがあります。

 

より利息の支払負担を軽くしたい場合は、住宅ローンの借り換えなどの方法を検討するのもひとつの方法です。

住宅ローンで失敗したくないこと

住宅ローンで失敗したくないこと

住宅ローンを組む際に変動金利か固定金利の選択によって、その後の返済負担に影響が出る可能性があります。契約後に後悔しないために、失敗を防ぐポイントを確認していきましょう。

ライフプランを考慮した返済計画を立てる

住宅ローンの返済は長期間に及ぶのが一般的なため、ライフプランも考慮した返済計画が大切です。

 

例えば、子育て世代で、子供にかかる費用が年々増加すると想定する場合は、金利変動リスクを回避するため一定期間の固定金利を選ぶのも良いでしょう。

 

また、夫婦共働き世帯で、住宅ローンの返済額が多少変更しても影響が少ない場合は、変動金利を選んでも良いでしょう。

 

子供が独立した後は、借入残高と返済可能年数、金利などを考慮して利息の支払負担の小さい金利タイプを選ぶのがおすすめです。

繰上げ返済を積極的にする

住宅ローンの返済中にまとまった資金を得た場合は、繰上げ返済をおすすめします。繰上げ返済とは毎月の返済とは別に返済することで、返済した分は元金に充当されるため、その分の利息を負担する必要がなく支払総額を抑える効果があるものです。

 

繰上げ返済には、以下の2つのタイプがありますが、総返済額をより軽減できるのは期間短縮型です。

 

  • 期間短縮型:返済期間を短くする
  • 返済額軽減型:毎月の返済額を少なくする

繰上げ返済は、繰上げる金額が高額なほど、また、繰上げする時期が早いほどその効果が高いとされています。

住宅ローンは人生設計の大きなミッション

住宅ローンは人生設計の大きなミッション

住宅ローンを契約する際には、変動金利か固定金利かを選ぶ必要があります。どちらがお得とは一概に言えないため、それぞれの特徴やメリット・注意点を理解したうえで選ぶことが大切です。

 

住宅ローンを組む際には、ライフプランを考慮したり、臨時収入があったときには繰上げ返済を行ったりするなどして、失敗しないような工夫が必要になります。

なお、楽天銀行住宅ローンは返済期間が最長50年。毎月の返済額が軽減し、比較的年収が低い若年世代でも借りやすいでしょう。変動金利の融資事務手数料は定額型で、繰上げ手数料も0円です。固定金利には、子育て世帯を応援する【フラット35】子育てプラスもあります。住宅ローンを組む金融機関に迷っている方は、ぜひ楽天銀行の住宅ローンの詳細をご確認ください。

 

※この記事は2024年4月時点の情報をもとに作成しております。

このテーマに関する気になるポイント!

  • 変動金利って何?

    景気や物価、社会情勢などによって金利が定期的に見直される金利タイプのことです。

  • 固定金利って何?

    住宅ローンを借り入れたときから、あらかじめ決めておいた期間中の金利が固定されている金利タイプです。

  • 変動金利と固定金利はどちらの利用者が多いの?

    約7割の方が変動金利を選んでいます。

  • 変動金利のメリットは?

    固定金利よりも低金利なことや、金利上昇時の緩和措置があることなどです。

  • 変動金利の注意点は?

    契約時に返済総額が決まらないことや、金利が上昇すると元金が減りづらくなることなどがあります。




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木内菜穂子
この記事を書いた人
木内菜穂子

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

金融機関や税理士事務所勤務での知識を生かし、FP1級、AFP、日商簿記2級などの資格を取得しました。現在は、金融・保険をメインとしたライターとして執筆活動をしています。お金に関する情報をわかりやすくお伝えできるよう日々努めています。

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