一般的な銀行の窓口の営業時間は9時から15時までですが、なぜこのような時間に決められているのでしょうか。その理由や、15時以降に銀行で行われている業務を解説します。

銀行の営業時間は各銀行が自由に決めているわけではなく、以下のように「銀行法施行規則」第十六条により定められています。

ただし、上規則には「前項の営業時間は、営業の都合により延長することができる。」と定められており、15時以降も営業する銀行もあります。

銀行では15時に窓口業務を終了した後、「記載した伝票と現金を突き合わせる」「実際の処理と合っているかを確認する」などの照合作業をします。確認業務は窓口を終了してからでないと正しく行うことが難しいためです。

これ以外にも、窓口で預かった税金や公共料金を、それぞれの収納先（官公庁や企業など）に送金する業務や小切手・手形などの処理を行います。また、日中の取引で預かった現金を、翌日の営業に必要な分を残して本店などに輸送する業務もあります。

ほかにもさまざまな業務がありますが、1日の取引の精査が終わり、現金や重要書類などを金庫室に戻したら業務終了です。

メガバンクである三菱UFJ銀行や三井住友銀行の営業時間も、原則として9時から15時までです。

ただし、いずれも一部店舗では営業時間が異なるため、各公式サイトの「店舗検索案内」で確認のうえ来店しましょう。

一般的な銀行よりも窓口の営業時間が長い銀行を紹介します。15時以降も窓口営業している銀行を下表にまとめました。

それぞれの銀行を詳しく見ていきましょう。

なお、インターネットで来店予約をする場合は、翌日以降の予約となります。

ゆうちょ銀行の営業時間は平日9時から16時です。新型コロナウイルス感染拡大前は、18時まで営業している店舗もありました。しかし、感染予防のために16時までに短縮され、その後の利用状況などから判断し、現在はすべての店舗で16時までの営業となっています（2023年10月現在）。

SBI新生銀行の営業時間は平日9時〜17時です。

SBI新生銀行は本支店が23店、出張所が2店とほかの銀行と比較して少ないものの、17時まで営業しているため近くに店舗がある方は利用しやすいでしょう。

銀行の窓口業務は基本的に土日の営業を行っていませんが、銀行によっては土日にも窓口を利用できるところもあります。平日の日中は仕事などで忙しい方にとっては利用しやすいサービスです。

しかし、一般的な現金の預け入れや払い出し・振り込み・公共料金などの支払いには対応しておらず、相談業務をメインに行っているケースがほとんどです。

銀行は平日夜間や土日に「資産運用相談」や「住宅ローン相談」といった相談業務を行っているところがあります。

土日に相談業務を行っている銀行として、みずほ銀行とりそな銀行の対応を見てみましょう。

みずほ銀行では、住宅ローンの相談について、平日15時までに限らず仕事帰りや土日祝日でも都合の良い時間帯で相談可能です。勤務先やご自宅近くの店舗で相談でき、住宅ローンだけでなくライフプランや固定費の見直しといった相談にものってもらえます。

りそな銀行では、住宅ローンや資産運用・保険・iDeCo・相続などお金に関する悩みについて、平日最長21時まで、土日祝日も相談できます。事前予約制なのでゆっくり相談できるほか、りそな銀行に口座を持っていない方でも相談を受け付けています。

銀行のATMは店舗窓口よりも長い時間営業しており、土日も利用可能なところが多いです。具体的な時間はそれぞれの銀行で異なり、取引内容によっても対応時間が異なります。

メガバンクを例に営業時間例をいくつか確認してみましょう。

三菱UFJ銀行のATMは、平日も土日祝日も8時45分から21時まで利用可能です。

この時間帯に利用できるのは、現金の入出金や振替・キャッシュカードによる振り込みや各種料金支払い・残高照会・通帳記帳などの取引です。なお、現金による振り込みや各種料金支払い・定期預金取引など平日8時45分から18時までの対応になっているものもあるため注意しましょう。

みずほ銀行のATMは平日なら0時から24時まで、土日は原則として0時から22時まで利用可能です。ただし、月曜日の0時から7時の間と、第1・第4土曜日の3時から5時の間、日曜日の0時から8時、21時から24時の間は利用できません。

祝日や振替休日は原則として平日同様0時から24時まで利用できますが、月曜や土日と重なる場合は、曜日ごとの利用時間が適用されます。

三井住友銀行のATMはゴールデンウィークや年末年始などにかかわらず最長24時間利用可能です。ただし、日曜日の21時から翌月曜日7時までは利用できません。

また、ATMの設置場所によって利用時間が異なることがあるため、夜間や土日に利用する際は特に確認しておくと良いでしょう。

ここまで解説してきたように、実店舗の窓口を利用する際には営業時間の制限を受けることが多いです。「いつでもどこでも取引できるようにしたい」という方は、ネット銀行を利用するのもひとつの方法です。

ネット銀行は24時間365日対応可能など営業時間が長いところも多く、スマートフォンやパソコンから手軽に操作ができるため利便性が高いです。

ネット銀行には、次のようなメリットがあります。

ネット銀行は一般的な銀行と比較して、振り込み手数料やATM利用手数料が安い傾向にあります。 銀行の窓口で他行への振り込みを依頼すると、振り込み金額が3万円を超える場合、770～990円（税込み）の振り込み手数料がかかるケースがあります。

一方、ネット銀行では一定条件を満たすと「月〇回まで無料」といった特典があるほか、特典の適用がなくても200円前後など低額の設定となっています。

ネット銀行は利用者にさまざまなメリットがある一方で、注意点もあります。

画面の操作方法がわからない場合や、資産運用の仕方など相談しながら手続きをしたい場合などがありますが、ネット銀行は非対面式のため質問や相談をしながらの取引はできません。

しかし、画面上にチャットが表示されるサービスがあったり、コールセンターで質問などに対応していたりするところが多いため、一般的な操作の疑問には対応できるでしょう。

ネット銀行を利用するにあたり、セキュリティ対策が大切です。ネット銀行側でもさまざまな対策をとっていますが、利用者自身も情報管理を徹底する必要があります。

第三者からわかりやすいパスワードに設定したり、紙にパスワードをメモしたりするのは避けましょう。