楽天銀行を含むネット銀行は、一般的な都市銀行や地方銀行とは異なり、実在の店舗を持っていません。しかしながら、それぞれの口座には支店名が割り振られています。

実在の支店があるわけではないのに、なぜ支店名を用意する必要があるのでしょうか。

ネット銀行は対面の店舗を持たず、インターネット上の操作やATMを通して業務を行う銀行のことです。店舗を持たなくても良いため、その分人件費や家賃などの経費が抑えられることで、振込やATM手数料などを安く提供できます。また金利の面でも好条件の預金商品を提供しているネット銀行が多くあります。

ネット銀行を利用する際、使われるのがインターネットバンキング。直接銀行に行くことなく、パソコンやスマートフォンを介してさまざまなサービスが利用できます。

例えば、楽天銀行のインターネットバンキングでは、以下のような銀行取引が利用可能です。

• 残高、明細照会
• 振り込み
• 金融商品（定期預金、外貨預金、FX等）の利用
• BIG、toto、宝くじのナンバーズの購入
• クレジット、デビット機能の付いたキャッシュカードの申し込み

なぜ実在店舗のないネット銀行に支店名が付いているのかというと、銀行間の取り引きには支店コードが必要だからです。

銀行間の取り引きにおいては、全国銀行データ通信システムによって、実際のお金を動かさずに、データ上で振り込みや口座引き落としをします。システムでは「金融機関コード（4桁）」＋「支店コード（3桁）」＋「口座番号（7桁）」の、14桁のコードが必要となるため、ネット銀行でも支店を持つ必要があります。

都市銀行や地方銀行であれば、店舗のある地域名が支店名になるのが一般的です。では、実在店舗のないネット銀行はどのようなルールで支店名が決められているのでしょうか。

ネット銀行の変わったネーミングは、銀行が独自に命名しています。それぞれ変わった支店名が採用されるのは、「馴染みやすさ」や「覚えやすさ」を意識してのことのようです。

楽天銀行をはじめとする代表的なネット銀行の支店名は、以下のようになります。

楽天銀行の支店名には、音楽に関するものが採用されています。なお、開設時に支店名を選ぶことはできません。支店コードと支店名は以下のとおりです。

ソニー銀行は、ソニーフィナンシャルホールディングスが運営するネット銀行。ソニー銀行の支店は「本店営業部（支店番号：001）」ひとつのみです。

住信SBIネット銀行は、SBIホールディングスと三井住友信託銀行が共同で設立したネット銀行。支店名には果物の名前が採用されおり、その一部を紹介します。

セブン銀行は、コンビニ「セブン-イレブン」を有するセブンアンドアイホールディングスが運営するネット銀行。支店名には花の名前を採用しています。口座を開設した月で支店が決定します。

日本初のネット銀行であるジャパンネット銀行は、2021年4月よりPayPay銀行として生まれ変わりました。支店名には鳥の名前を採用しています。

じぶん銀行は、携帯電話会社大手のauと三菱UFJ銀行が共同で設立したネット銀行。支店名には色の名前が採用されています。

小売業大手のイオングループが運営するネット銀行。支店名には誕生石の宝石の名前、もしくは関連した花の名前が採用され、自分の誕生月に応じて支店名が決まります。

証券会社大手の大和証券グループが運営するネット銀行。支店名には七福神の名前が採用されています。

ネット銀行にはさまざまな支店名がありますが、自分が好きな名前の支店を自由に選んだり、後で変更したりすることはできるのでしょうか。

例えば、楽天銀行では、口座の開設を申し込む際に、支店を指定することはできません。銀行側がランダムで割り当てることになります。また、開設後に支店を変更することもできません。ほかの銀行も基本的には選ぶことも変更することもできない場合が多いでしょう。

あらかじめ口座開設の段階で、支店名がわかるネット銀行もあります。例えばセブン銀行は、口座を開設した月によって支店名が決定します。1月に口座を開設すれば、「マーガレット支店（支店コード：101）」になるといった具合です。

楽天銀行の口座開設は、3ステップで簡単にできます。

口座開設申込情報入力画面で、会員様の情報の入力、キャッシュカード種類の選択、本人特定事項の確認方法の選択などをします。申込書や印鑑は不要。パソコンやスマホからでも簡単に入力できます。

免許証や個人番号カードなど、本人確認書類を送付します。郵送やスマホアプリで簡単に手続きが可能です。

ネット銀行の特徴は、そのユニークな支店名だけではありません。インターネット上で銀行取引が完結できるという利便性、低い手数料や高金利などのお得感も大きな魅力です。