長い間銀行や郵便局にお金を預けっぱなしにしていませんか？　実は、そのお金、何と銀行で10年、ゆうちょ銀行で5年たったら、銀行の収入になってしまうのです！
　 
とはいっても、実際は、自分の口座の通帳や印鑑などの証拠を持って銀行の窓口に行けば、即払い戻ししてもらえます。ところが、持ち主が亡くなったりして、持ち主が不明の預金が、日本には毎年1,000億円程が発生しているそうです。これを、休眠預金と呼んでいます。

その後持ち主が申し出たりして払い戻しした金額を除外しても、毎年500～600億円が銀行の利益になっています。と言うのも、現在の法律では、休眠預金は銀行の利益としてよいと定めているからです。

銀行は、利益として計上した休眠預金が、後から払い戻し要求をされて払い戻した場合は、損失として計上しています。

アイルランドやイギリス、韓国などで社会福祉に休眠預金を活用する例が増えてきている影響があるかもしれません。アイルランドでは、2003年に「休眠預金基金」が設立され、活用までの手続きや活用分野等を制定しました。

イギリスでは、銀行からお金を受け取る「請求基金」と社会事業へ貸し付けを行う「休眠口座基金」の2つがあり、銀行と基金は法的な取り決めを結んで協力し合います。社会事業などへ貸し付けを行っているようです。

日本でも、社会福祉事業や、急増する自然災害の支援などに活用できれば、大きな意義があると考えられます。

銀行が休眠預金を利益として計上することは、法的に問題はないのですが、銀行が汗水垂らして稼いだお金じゃないよね？　という意見もあって、法改正が行われた際は、銀行は法律に沿った休眠預金の処理を行うことになります。

意外な短期間で休眠預金になってしまう銀行預金ですが、返してくれると言っても、今後の法改正を考えると、休眠預金にさせない対応策が必要です。

「普通預金の入出金が10年間ない」というのが一つの尺度でした。それなら、“自動継続の定期預金”にしておけば、定期預金の満期ごとに取引を繰り返すことになり、休眠預金とは無縁になり、安心です。

この機会に、一度自分の銀行口座を棚卸してみましょう。意外な“お宝”を発見して、臨時収入をゲットできるかもしれません。