特定口座とは?特徴や一般口座・NISA口座との違いを解説

リリース日:2022/04/12 更新日:2024/10/22

投資初心者が証券会社に口座を開設する際、口座の種類で悩む人もいるでしょう。ここでは、特定口座がどのような口座かを解説するとともに、一般口座やNISA口座との違いについても詳しく説明します。

  1. 証券口座の種類
  2. 特定口座とは?
  3. 特定口座と一般口座の違い
  4. 特定口座とNISA口座の違い

証券口座の種類

株や投資信託などの金融商品の取り引きは、口座の種類により税金などの取り扱い方法が異なります。主な証券口座は「特定口座」「一般口座」「NISA口座」の3種類あり、それぞれの特徴をまとめると以下のとおりです。

口座の種類 区分 確定申告 年間取引報告書
課税口座 一般口座 - 必要 自分で作成
特定口座 源泉徴収なし 必要 証券会社が作成
源泉徴収あり 不要(※) 証券会社が作成
非課税口座 NISA口座 - なし

※ほかの証券会社と損益通算を行う場合や損失を来年以降に繰り延べる場合などは、自分で確定申告が必要です。

 

特定口座とは?

特定口座とは?

特定口座とは、確定申告などの納税申告を行う際の手続きを簡略化するためにできた口座です。証券会社が、口座内の投資商品の譲渡損益を計算して「年間取引報告書」を作成してくれるため、確定申告などの手続きが楽になります。

 

特定口座には、源泉徴収ありと源泉徴収なしの2種類があります。いずれも証券会社が年間取引報告書を作成する点では共通していますが、確定申告の必要性が異なります。

源泉徴収とは

特定口座における源泉徴収とは、平たく言えば本来自分で納めるべき税金を証券会社が利益から引いて納めてくれるということです。例えば、株を売って1万円の利益を得た場合、20.315%の税金がかかります。そのため、源泉徴収ありの口座では税金として2,031円が引かれて残りの7,969円が振り込まれますが、源泉徴収なしの口座では1万円が振り込まれます。源泉徴収なしのほうがお得に感じますが、税金を納めなくて良いというわけではありません。1年分をまとめて確定申告して、後から税金を支払うことになります。

「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の違い

「源泉徴収あり」の場合、すでに税金を支払ったことになるので確定申告をする必要はありません。一方「源泉徴収なし」の場合は、税金を支払っていないので自分で確定申告をする必要があります

 

「源泉徴収あり」の確定申告は基本的に不要ですが、場合によっては確定申告したほうがお得になることもあります。例えば、ほかの証券会社の口座と損益通算をする場合や、損失を来年以降に繰り延べる場合などです。

 

確定申告の手間をかけたくない人やどちらにするか迷っている人は、「源泉徴収あり」にしておくと便利でしょう。




特定口座と一般口座の違い

特定口座と一般口座の違い

特定口座と一般口座の大きな違いは、証券会社が「年間取引報告書」を作成するか否かです。特定口座の場合は、証券会社が1年間の取り引きをすべてまとめて年間取引報告書を作成してくれます。一般口座で取り引きする場合、証券会社は年間取引報告書を作成してくれないので、確定申告に必要な書類をすべて自分で作る必要があります


特定口座の対象は上場日本株式(現物・信用)、上場ETF、上場REIT、株式投信、海外株式、公社債、公社債投信(楽天証券の場合)と幅広く、ほとんど網羅しているので、一般的な株式投資をする際は、基本的には特定口座を選択すると納税手続きの手間が減るでしょう。

特定口座とNISA口座の違い

特定口座とNISA口座の違い

特定口座とNISA口座の大きな違いは、運用によって得た利益に対して課税されるかどうかです。NISA口座はNISA制度(少額投資非課税制度)が適用される口座で、2024年からスタートした新しいNISA制度は、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの枠があります。特定口座で得られた利益には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座は課税されません。税金がかからないので確定申告の必要はなく、年間取引報告書も発行されません。

ただし、NISAには年間投資枠が設けられており、つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円という上限があります。これは年間の累計購入額の上限で、すでに購入した商品を売却してもこの枠が年内に復活することはありません。ただ、生涯非課税限度額が導入され、生涯でNISA制度を活用して1800万円まで投資できるようになりました。購入した商品を売却すれば、翌年に枠が復活します。

また、NISA口座はひとりにつき1口座と決まっています。特定口座は複数の証券会社で開設できますが、NISA口座はどこか1つを選ぶ必要があります。

新NISAの概要

新しいNISA制度の概要を以下で確認してみましょう。

つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
非課税保有限度額 総枠1,800万円
(うち成長投資枠は1,200万円)
非課税期間 無制限 無制限
口座開設期限 無制限 無制限
購入可能商品 長期・分散・積立投資に適した一定の投資信託 上場株式や投資信託など
対象年齢 18歳以上
 

NISA口座の特徴のひとつは、条件内であれば非課税で投資できることです。対象の商品での資産形成・投資を考えている方は、まずはNISA口座を活用するのが良いでしょう。

 

金融商品を特定口座で購入するか、NISA口座で購入するかはその都度選べます。しかし、特定口座で購入した商品をNISA口座へ移管することはできません。どうしても移したい場合は一旦売却して、改めてNISA口座で買い直すことになります。

楽天証券では、国内株式・投資信託の取引手数料が取引金額にかかわらず0円です。また、国内株式や米国株式、投資信託の購入代金に楽天ポイントを利用できます。

※この記事は2024年8月時点の情報をもとに作成しております。 

このテーマに関する気になるポイント!

  • 特定口座とは?

    特定口座とは、確定申告などの納税申告を行う際の手続きを簡略化するためにできた口座で、証券会社が口座内の投資商品の譲渡損益を計算して「年間取引報告書」を作成してくれます。

  • 特定口座と一般口座の違いは?

    特定口座では、証券会社が「年間取引報告書」を作成してくれますが、一般口座で取り引きする場合は確定申告に必要な書類をすべて自分で作る必要があります。

  • 特定口座とNISA口座の違いは?

    特定口座とNISA口座の大きな違いは、運用によって得た利益に対して課税されるかどうかです。NISA口座では非課税のため、確定申告などの納税申告も不要になります。




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宮島ムー
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)/宅地建物取引士
宮島ムー

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

関西に住む子育て中の主婦です。 お金や不動産に興味があり、日商簿記1級・FP2級・宅建などの資格を独学で取得しました。 記事ではなるべく専門用語を使わず、わかりやすく説明するよう心がけています。

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