特定口座と一般口座どちらを選ぶべき?特定口座の「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の違いも解説!

リリース日:2022/04/08 更新日:2024/10/09
菊地祥
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ファイナンシャル・プランナー(3級FP技能士)
菊地祥

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

専業ライターの菊地です。株式・投資信託8年目。もっとお金やライフプランについて知りたいと思い、2018年にFP技能士3級を取得しました。現在は2級取得を目指して勉強中です。お金に関するあらゆる専門知識を、分かりやすく説明します。

証券会社の口座には、特定口座と一般口座があります。また特定口座は源泉徴収のあり・なしで、さらに2つに分かれます。どの口座を選ぶかで、管理や納税手続きに違いが出てくるため、事前にその内容を理解しておくことが大切です。ここでは、特定口座と一般口座の違いや特定口座の特徴について詳しく解説していきます。

  1. 特定口座と一般口座の違い
  2. 特定口座の特徴と注意点
  3. 「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の違い

特定口座と一般口座の違い

特定口座と一般口座の違い

株や投資信託などの金融商品の取り引きでは、特定口座と一般口座のどちらを選んでも取引方法が変わることはありません。しかし、確定申告などの納税申告方法が異なっているため、投資を始める前に理解しておく必要があります。

違いは「年間取引報告書」が交付されるか否か

特定口座と一般口座の大きな違いは、証券会社が「年間取引報告書」を作成するか否かです。

 

投資信託などの金融商品は、得られた利益から20.315%の税金を納税しなければいけません。税金の内訳は以下のとおりです。

 

  • 所得税:15%
  • 住民税:5%
  • 復興特別所得税:0.315%

納税するためには、1年間の年間損益を計算し、確定申告を行う必要があります。

 

一般口座で取り引きしている場合は、上記の計算を自身で行い、確定申告に必要な書類を準備しなければいけません

 

一方、特定口座(源泉徴収あり、なし)の場合は、年間の損益計算を証券会社が行い「年間取引報告書」を作成してくれます。それにより、自身で行う納税手続きの手間が軽減されます。また、特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があり、確定申告の必要性が異なります。

特定口座の特徴と注意点

特定口座の特徴と注意点

では、特定口座を開設するにあたって、口座の特徴と注意点を見ていきましょう。

【特徴1】投資家が年間の損益計算を行う必要がない

上記でも述べましたが、特定口座の特徴のひとつは、1年間の取り引きを記録し損益計算をする手間がかからないことです。

 

一般口座では、納税手続きのために年間損益の計算を自身で行う必要があり、投資信託のファンドや株式投資の銘柄名、購入額、売却額などの情報を細かく記録しなければいけません。投資初心者だけでなく経験者にとっても時間と手間のかかる作業でしょう。

 

特定口座を開設すると、少なくとも以下の作業は不要になります。

 

  • 取引内容の記録
  • 年間の損失、利益の合計金額の計算

【特徴2】手間がかからず計算ミスを防げる

特定口座を開設していれば、損益計算が不要ですので計算ミスを防ぐことができます

 

投資が初めての人にとっては、購入と売却手続きだけでも慣れるまでが大変です。そこに帳簿付けまで加わると、思わぬ計算ミスを招くリスクもあるでしょう。

 

確定申告は1円でも少なく申告してはいけません。もし、間違えて納税額を過少申告していた場合は、追徴課税が発生します。追徴課税には4ケースあり、例えば期限内に過少申告を修正しなかった場合は、追加税に10%もしくは15%加算されます。

【注意点】帳簿付けや税の知識を身につける機会を失う

帳簿付けや税金に関する知識は、投資家にとって重要なものです。特定口座は非常に便利な反面、投資家がそのような知識を身につける機会がなくなってしまうという側面があります。

 

一般口座を使う場合は、自分で損益計算、整理、確認、そして確定申告の準備をする必要があるので、自然に税金の知識を身につけることができます。特定口座は、年間の損益計算や資料作成を証券会社が代行してくれるため、なかなかそのような実務を覚える機会がありませんし、覚えようとする意志も芽生えにくいでしょう。証券会社が作成してくれる年間取引報告書の内容は確認するようにして、計算や税金の仕組みを少しでも把握しておくと良いでしょう。




「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の違い

「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の違い

特定口座には、「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があります。どちらも年間の損益計算を証券会社が代行してくれるところまでは同じです。しかし、その後の納税手続きの対応に大きな違いがあります。以下で詳しく説明していきます。

確定申告が必要かどうか

特定口座の源泉徴収あり・なしの大きな違いは、確定申告が必要かどうかです。そして、原則として確定申告が不要な口座は、源泉徴収ありの特定口座です。

 

源泉徴収ありの特定口座では、取り引きのたびに税金分が源泉徴収されます。そして、証券会社が前年に源泉徴収した分を納税してくれるので、投資家は税金に関する手続きをする必要はありません。

 

源泉徴収なしの特定口座を選んだ場合は、1月頃に送られてくる「年間取引報告書」をもとに確定申告書類を作成し、税務署に申告します。

特定口座の源泉徴収ありでも確定申告できる

勘違いしやすいところですが、特定口座の源泉徴収ありを選んでも確定申告はできます。そして、確定申告したほうが良いケースもあるのです。それは、損失の繰越控除を利用する場合です。

 

例えば、1年間の損益が-100万円とした場合、翌年以降3年間は利益から差し引くことができます。以下にその例を載せています。

 

 

 

このように、損失額を使って節税したい場合は、特定口座の源泉徴収ありの場合でも投資家自身で繰越控除の申告をすることができます。

特定口座と一般口座の違いに関しては、楽天証券のWebサイトでも詳しい解説があります。自分はどちらを選べば良いかを検討するときの参考にしてみてください。また、楽天証券では投資信託はもちろん、株やFXなど豊富な金融商品が揃っており、自分にあった運用方法を見つけることができるでしょう。

 

※この記事は2024年9月時点の情報をもとに作成しております。

このテーマに関する気になるポイント!

  • 特定口座と一般口座の違いは?

    特定口座と一般口座の違いは、証券会社が納税手続きに必要な「年間取引報告書」を作成するか否かです。

  • 特定口座の特徴は?

    投資家が年間の損益計算を行う必要がない、手間がかからず計算ミスを防げるなどの特徴があります。

  • 特定口座の「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の違いは?

    確定申告が必要かどうかです。源泉徴収ありの口座は原則として確定申告が不要で、源泉徴収なしの口座は確定申告が必要になります。




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